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第2話 誤解は情熱の始まり?(01)

Author: 星琴千咲
last update Huling Na-update: 2025-05-29 12:59:49

有川雪枝、兄の悠治に守られ、大事に育てられた天真爛漫な美少女。

一流大学を卒業後、志望のファッションサイトで働くことになった。

その無邪気な性格とルックスですぐ会社の人気ものになり、楽しい毎日を送っている。

しかし、他人のいい性格とルックスをいいと思わない人も存在する。

会社の懇親会で、雪枝は三年も付き合っていた彼氏の写真を同僚たちに見せた。

「かっこいい!」「雪枝と似合ってる」など褒め声の中で、密かに不愉快を思う人がいた。

会社の契約モデルJellyだった。

Jellyはもともと雪枝の人気に不満を持っていた。

いい環境で育てられ、いい大学を卒業、おまけにかわいい、そんな子にかっこいい彼氏がいるなんて、良い男を掴めるのに苦労している彼女にとって、とても受け入れないことだ。

でも、雪枝の彼氏の写真を見て、Jellyは妙なことに気づいた。

その彼氏は、Jellyがいつも行っているホストクラブQueen's Palaceのホスト・正樹と瓜二つだった。

数日後、Jellyは雪枝をショッピングに誘った。

忘れものを取りに来るという言い訳で、雪枝をQueen's Palaceの階段の入り口で待たせた。

やることのない雪枝は通行人たちのファッションをチェックしていた。

そこで、コンビニの外でコーヒーを飲んでいる大介のコーディネーションに惹かれて、思わず写真を取った。

まもなく、Jellyは上がってきた――雪枝の彼氏正樹の腕を抱えながら。

対面した瞬間、雪枝も正樹も驚きで言葉が出なかった。

Jellyだけが楽しそうに「まさちゃん」のことを紹介して、一緒に正樹の客にならないかと雪枝を誘った。

雪枝は頭が空白のままでその場を逃げ出して、兄の家に駆けつけた。

「大学の図書館で知り合いになったの……仕事なんて気にしないのに、どうして、どうして3年間も嘘を……私に言ったこと、全部、全部嘘なの……」

泣き崩れの妹を慰めているうちに、悠治も泣きそうになった。

(俺が引きこもりで売れないクソ作を書いている間に、雪枝は彼氏ができたなんて……しかも、3年も交際してたのに、俺、全く気付いていないとはTAT)

(だから、雪枝はやすやすと騙された……すべては保護者の俺の責任だ!)

「雪枝、泣かないで!お兄ちゃんは仇を取ってやるから!」

悠治は拳を握り締め、雪枝の剣となり、盾になることを誓った。

でもすぐに、自分の無力さに気づいた。

(と言っても、どうやって?俺は引きこもりの廃オタク。あの男はたくましそうに見えるし、彼女に嘘をつけるのも法律違反じゃない……)

(いままでした一番自慢できる復讐は、小学生の時に俺のコミックを強奪した女をヒロインを陥れる悪役にすることくらいだ……あんな自己満足なもの、復讐とは……)

(ちょっと待って、ただの自己満足じゃなかったら、行けるかもしれないない!)

そこで、悠治は長期間を渡って、あのクズ男の人生を台無しにする復讐計画を立てた。

「もういい、しばらく気持ちを整理したい」

雪枝は諦めたような言葉を言い残して、家に帰った。

それ以上聞くと、雪枝がもう一度傷付けると考えて、悠治は独自に調査を始めた。

悠治はウィッグとワンピースを身に付けて、美女に変身した。

Queen's Palaceの周りをうろついて、大介の現れを待っていた。

大介がビルに入ったのを見って、さっそくその後ろにつけて、10階にある大介の個人スタジオまで尾行した。

復讐心に理性を奪われた悠治は、ホストが故企画スタジオを持っていることに疑問すらもしなかった。どうせ、脱税のためのペーパー会社だろうと思って、名札に書かれている「反町大介」という名前だけをメモした。

大介が酔っ払い女性に纏わされ、対応に困っているところを見たが

→どうせ、素性が悪いせいで悪質な客に捕まれただけだ;

大介がアシスタントらしい人とリアルゲームについて話しているところを見たが

→どうせ、女をたぶらかすためのデートスポットを検討しているだろ;

大介が地下2階に入ったこと、一度も見なかったが

→どうせ、雪枝を騙した件が騒ぎになって、しばらく休暇を強制されたんだろ……

とにかく、大介のしぐさ、好み、習慣を隅々まで観察し、彼をモデルに、あの『とある外国留学生が日本のホストクラブでの冒険談《18R、リアル経験注意》』を書いた。

それから、いままで自分の作品にも使わなった邪道なプロモーションをかけた。

「お金なら心配ない。サクラでも入れて、人気のイメージさえ作れば、ゴミ作でも本物の読者がついてくる」

「口コミ?そんなのどうでもいい、工作だとバレてもそれで話題になるから」

「ああそうだ、イラストとコミックも注文した、素材が上がったら送る。ウェブ広告もいっぱい出してくれ」

いろいろな不正手段を悪徳広告仲介人と話していたら、悠治は更に燃り上がった。

あのクズ男と叩き潰せるのなら、どんな汚い手も惜しまない!

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